浅間高原の滝 6
未整備の滝に関する注意事項は、前述の「仙峨滝」に同じです。場所は「熊川」沿いで、「不動の滝」の上流に位置します。滝原の「小倉橋」の左岸を上流に向かって川沿いに進みます。道が尽きたら、川伝いにたどります。距離にして500メートルほど進むと熊川に大きな壁が立ちふさがり「槌谷の滝」にたどり着きます。川沿いの道は、滝までは通じていないようなので、水量の多い時は、川の中を進むことも覚悟しておきましょう。上流からは滝にたどりつくことはできません。なお、熊川は名前の通り、例年『熊』の出没が目撃されています。熊よけの鈴は必ずつけてください。*駐車場、滝への道ともに整備されていません。
●「槌谷の滝」は、250度、周囲を壁面に囲まれた滝です。滝の注ぎ口が飛び出しているので、漏斗で水を撒くような細かい綺麗なアーチを見せています。滝つぼは広く大きく、砂地の部分もあり、ゆっくりと滝を鑑賞できます。また、滝の左手には、岩から水が染み出る湧水帯があり、乾いたのどを潤すことができます。
ここは長野原町の昔話「シロソウヤ」の舞台となった滝です。「シロソウヤ」とは、「昔応桑の釣り名人が、この槌谷の滝へ魚釣りに来た時に、滝のなかから大きな魚を釣り上げたそうです。さっそく腰に下げた魚篭(びく)に入れ、帰ろうとすると、滝の方から「シロソウヤーシロソウヤー」と呼ぶ声が聞こえました。その声に驚き後ろを振り返ると、魚篭に入れていた大きな魚が滝つぼに向かって逃げ出しました。名人は『あれは滝つぼの主(ぬし)だったんだなぁ』とあきらめて帰ったそうです。それっきり、槌谷の滝でシロソウヤを見た人はいなかったそうだ。」というものです。
また、槌谷の滝には温泉があったといわれています。18度くらいの微温泉だったので、昔の温泉法では、温泉と認められずに断念したといわれているようです。今回はその場所を発見することができませんでした。情報をお持ちの方、ぜひ教えてください。